ドバイ滞在記

ドバイ滞在記

ホテルのアジア人清掃係

ドバイに移り住んだ当初一週間程度はホテル暮らしをしていたのを思い出す。

会社によって新居は既に用意されていたものの、電気もインターネットも繋がっておらず、また必要な家具類もこれから買い揃える必要があった為である。

朝起きてホテルの裏にあるスーパーへ向かい、そこで掃除用具等必要な日用品を購入する。

そして一通り買い物を済ませて部屋に戻る途中、ホテルの廊下で体の大きい白人男性に遭遇し、すれ違いざまに突然声を掛けられる。

それは決してフレンドリーな調子では無く、真顔で見下ろすような視線を伴っている。

(単純にあちらの方が身長が高いので、当然見下ろす視線にはなる)

一言何かを尋ねられたのだが、突然の事もあり聞き取れず、

私「SORRY? ]と笑顔で聞き直す。

白人男性「俺の部屋はもう掃除を済ませたのか?」

私「なんで私がお前の部屋の掃除をしなければならないんだ?」

そう尋ね返すと、彼は踵を返してそこから去ろうとするので

私「ちょっと待て、どういう意味だ」と更に被せて尋ねる。

これはもしや外国でよくあるアジア人差別というものなのか??

馬鹿にされたまま放置してはイケないと思い、さらに被せて

私「待て」と追撃

白人男性はそれっきり振り返る事もなく去っていったので、まあいいかと思い

そのまま部屋に戻る事にした。

部屋に戻り、大きな鏡の前に映る自分の姿を見てアレレと気が付いた。

そこに写っていたのはモップとバケツを手にした紛れもないアジア人清掃係である。

なるほど無理もない。